神明クリニック

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コラム(2026年)

神戸新聞・折込の、地域の広報にあります「とことん、おおくぼ Okubo.com」の「ドクター西原のいきいき生活通信」で掲載された内容です。ぜひ皆様の生活にお役立てください。

1月号 アドバンス・ケア・プランニング(ACP)について

アドバンス・ケア・プランニング(ACP)について

 新たな1年が始まりましたね。早いもので、神明クリニックは開業してから20年目になります。プレッシャーも感じつつ、皆さんに頼りにしてもらえるように、これからもスタッフ一同、力を合わせて頑張って参りますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 さて、当院かかりつけの患者さんもいつの間にか増えてきて、その中には大病を患ったり、介護が必要な高齢者の方も少なくありません。体調を崩して、近隣の病院に入院したりすることもしばしばあります。
 その際は大抵退院前に、入院先の病院で患者さんおよび家族そして多職種の医療従事者を交えて、退院後の医療や介護をどのようにしていくかということが話し合われます。具体的には医療従事者による専門的な病状説明やアドバイスを聞いた上で、患者さんと家族の意思決定がなされ、かかりつけ医である私のところへそれらの情報が提供されます。
 もちろん日常の外来で、そういったことを話し合うこともありますが、このように、あらかじめ「人生の最終段階においてどのような医療や介護を受けたいのか」について患者さん・家族(あるいは信頼できる人)と医療従事者が繰り返し話し合っていくことをアドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning :以下ACP)と言い、「人生会議」の愛称で呼ばれています。

 人生に対する考え方は人それぞれで、早期にがんが分かったにも関わらず、「私は治療せずにこの病気で最期を迎えます」とお亡くなりになられた方や延命治療を望まれる家族、諸事情により早々に高齢者施設への入所を決められる方や住み慣れた自宅での生活にこだわる方など様々です。
 そして、現代の超高齢化社会では、終末期を迎えた人の70%は意志決定が不可能であるとも言われています。特に認知症が進んでしまってからでは、その人の意志を尊重することすら難しくなります。
 私は昨年末に母を亡くしましたが、母は生前、人生の最終段階における自身の希望を口癖のように話していましたので、ちょっと大変なこともありましたが、家族が介護において迷うことはありませんでした。

 ACPのタイミングは、早すぎると不明確で、遅すぎるとACP自体が行われなくなるので、適切な時期に行い、決定事項は文章に記録しておくこと、そして変化に応じて繰り返しACPを行うことが重要です。
 皆さん、時々身近な人と将来の心づもり(ACP)について話し合ってみてはいかがでしょうか。

いきいき生活通信 2026年 1月号