神明クリニック

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コラム

神戸新聞・折込の、地域の広報にあります「とことん、おおくぼ Okubo.com」の「ドクター西原のいきいき生活通信」で掲載された内容です。ぜひ皆様の生活にお役立てください。

1月号コロナワクチンについて

コロナワクチンについて

2020年はまさに“コロナ禍”な一年でした。当クリニックもいろいろと大変で、スタッフみんなが、こんな時こそ地域の医療に貢献したいという気持ちと、高齢者や透析患者さんが来院するクリニックにおいて、どこまでその診療に関わってよいのかという葛藤が常にありました。そしてその葛藤は今年も続きます。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は現在進行形です。
気を引き締めて頑張りますので、本年もどうぞよろしくお願い致します。

さて、そのCOVID-19ですが、いつになったら終息するのでしょうかね。一般的なこととして、あるウイルス感染症が終息するためには、その集団の70%の人が抗体を持つことが必要であると言われています。したがって、70%の人が感染するか、あるいはワクチン接種によって免疫を獲得しないといけないわけですが、国内の感染者数は12月下旬時点で20万人前後であり、人口の0.2%程度です。70%の人が感染することは想像を絶するような事態ですので、これは何としても避けるべきで、治療薬がない状況ではワクチンだけが頼りになります。

そして、そのワクチンですが、現在世界では50種類以上のワクチンが開発中で、中国とロシアでは国内で作られたワクチンの接種が昨年夏よりいち早く始まっていて、特に中国製のワクチンについては中東やアジアでも接種されています。日本で使用される予定のワクチンについては、現在3種類のワクチンが確保されていて、そのうちの一つが先月、英国や米国などで緊急的に接種が始まりました。

このワクチンは新型コロナウイルスが持つたんぱく質の基になるメッセンジャーRNA(mRNA)を人工的に作製したmRNAワクチンで、臨床使用されるのは初めてのことであり、世界中で注目されているワクチンと言っても過言ではないでしょう。これまでのワクチンと比べて、有効性や安全性が高いと期待されています。

このワクチンをヒトに接種すると、mRNAが体内の細胞に取り込まれ、新型コロナウイルスが持つたんぱく質が産生・分泌されて、それが抗原として作用し、ウイルスに対する抗体が作られるわけです。また、ウイルスが感染した細胞に対しても抗体と関係なく免疫を発揮するとされています。効果については約43500人が参加した臨床治験で95%の予防効果があったとのことです。

初めてのタイプのワクチンですから、安全性については少々不安ですが、これらのワクチンが救世主となり、そして先進国だけでなく、世界中で接種されることを願っています。

いきいき生活通信 2021年 1月号