神明クリニック

HOME ≫ コラム

コラム

神戸新聞・折込の、地域の広報にあります「とことん、おおくぼ Okubo.com」の「ドクター西原のいきいき生活通信」で掲載された内容です。ぜひ皆様の生活にお役立てください。

1月号原発性アルドステロン症について

原発性アルドステロン症について

新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年も結局、仕事もプライベートもコロナ禍の一年でした。この2年間どんよりとした天気がずっと続いているようで、できれば今年中にそのどんより雲を取っ払ってほしいですね。それが今年の願い事です。

さて皆さん、自分の血圧がどのくらいか把握していますか。私はときどき自院で測定していて、最近は130/80mmHgぐらいで少しずつ上がってきています。140/90mmHg以上は高血圧ですので、もう時間の問題でしょうね。高血圧を放置していると、脳卒中や心筋梗塞、心不全、腎不全などの重大な疾患につながりますので、高血圧の方は積極的に治療を受けて下さい。高血圧に気付いていない方や自覚していても治療を受けていない方、さらに治療を受けていてもコントロールが不十分な方が非常に多いといわれていて、私の外来でも血圧管理の重要性をもう少し認識してほしいと思うことがあります。

高血圧は多くの場合、遺伝的な要因や喫煙や肥満、ストレス、運動不足などが関連して発症する本態性高血圧ですが、何らかの疾患などによって起こる場合は二次性高血圧として分類されています。二次性高血圧の中で最も多いのが「原発性アルドステロン症」です。聞きなれない疾患だと思うのですが、なんと高血圧全体の5~10%程度を占めると考えられていて、高血圧の方が全国で約4300万人と推定されていますので、200万人以上いることになります。高血圧患者さんの中で診断されていない方が非常に多くいるということです。

原発性アルドステロン症は、腎臓のすぐ上にある副腎からアルドステロンが過剰に分泌される疾患で、アルドステロンは本来塩分を体内に保持し血圧を維持する働きがあるので、過剰になると高血圧になるわけです。過剰かどうかは血液検査で分りますので、高血圧の患者さんを初めて診療したときには、最初にアルドステロンを測定することが望ましいのですが、私の場合、高血圧の家族歴がなかったり、重症の高血圧や電解質異常(低カリウム血症)があるときに限り調べているのが実情です。

治療ですが、アルドステロンの過剰分泌が片側の副腎からの場合は、その副腎を摘出することで治癒も期待できますが、実際は両側性のことも多く、その場合はアルドステロン拮抗薬を中心とした薬物療法になります。

最後にひと言、高血圧は軽視してはいけない疾患であり、その原因の一つが原発性アルドステロン症であることを心に留めておいてください。

いきいき生活通信 2022年 1月号